東京鉄道遺産29 大崎広小路駅
2018年 10月 18日
「東京鉄道遺産100」(雑誌「東京人」2012年3月号特集記事)の「駅舎・駅の佇まい」の部で認定された東急池上線の大崎広小路駅は、起点の五反田駅から一つ目の駅である。
ありました。駅の東側から入った路地の先に、ホームの屋根が見えました。 映画では、ホームの屋根が左側に見えたので、駅の西側から撮ったのだろう。角度は異なるがそれらしい雰囲気を味わえました。
赤レンガ塀のある家並み。これも良い雰囲気だ。
ホームから反対側の景色、これも映画の中に出てきたシーンにひとつだったが、中央高いビルは立正大学でかわらないが、周りは随分変わっている。
池上線は、五反田駅、旗の台駅、池上駅につづいて登場。私鉄の一線区で5駅の認定は最多である。
小津安二郎監督映画「東京暮色」(1957年公開)で大崎広小路駅から五反田にかけての光景が登場しており、ホーム木造屋根やホームから見える東側の眺めは当時の姿に近い。といった趣旨のことが同誌に書かれていた。
しかし、映画が撮られてから60年以上の歳月が経っている。また、遺産認定から6年半もたっている。したがって、当時の面影が残っていないだろうが、何かひとつぐらいはと期待しながら出かけた。
五反田駅から大崎広小路駅までは約400mしか離れていないので、電車に乗らず歩いた。
五反田駅前からすぐに目黒川に差し掛かった。
写真は、目黒川にかかる高架橋。左側に五反田駅のホーム屋根が見える。
写真の奥にJR線の電車が見える。
大崎広小路駅前に着いた。
駅はリニューアルされ、駅の周囲もビルが立ち並び、街は新しい。
映画では、駅の木造屋根のあるホームを見上げるシーンがあったので、ホームが見える路地を探した。
しばらく、五反田駅とは反対側の戸越銀座駅寄り進むと、線路わきの路地を見つけた。
蒲田行きの電車がやって来た。3両編成は、昔から変わっていない。
ここは、今はやりのハイキー調の写真で、雰囲気を出してみた。
線路をまたぐ跨線橋にやって来た。跨線橋というより両サイドの高台を結ぶ道とも言えそうだ。
その中程から北側(五反田方面)を撮った写真で、カーブを曲がった先が大崎広小路駅、奥のビル群は五反田駅周辺になる。
線路沿いに戸建ての住居が立ち並んでいるがほとんどが立て替えられていた。
下写真は、同じ場所から南側(戸越銀座駅方面)を撮影したもの。
大崎広小路駅のホームへ上がった。
ここからの景色が映画にでていた。
写真はほぼ同角度で撮ったが、現在は高いビルが立ち並び、五反田方面の景色は望むことはできない。
映画「東京暮色」の面影を残している大崎広小路駅とその周辺の佇まいだったが、あまりにも時が経ちすぎているため、遺産の面影はほとんど見られなかった。
今回は、モノの遺産というより、記憶の遺産のようだった。
私的には、唯一の遺産を感じさせたものは、コンクリート製の柵がある光景だけだった。
当時の映画や写真を見て、街歩きするのもまた楽しいものだ。
by ken201407
| 2018-10-18 12:15
| 東京鉄道遺産