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広重『名所江戸百景』めぐり 上野・日暮里コース

 今回は、上野広小路をスタートで湯島天神、上野清水堂、千駄木団子坂、諏方神社までコースです。

 広重の絵は、『第13景 下谷廣小路』、『第117景 湯しま天神坂上眺望』、『第12景 上野山した』、『第11景 上野清水堂不忍ノ池』、『第89景 上野山内月のまつ』、『第16景 千駄木団子坂花屋敷』、『第14景 日暮里寺院の林泉』、『第15景 日暮里諏訪の台』のコース最大枚数の8枚です。
 
 (絵のタイトル(青色文字)をクリックすると、絵と絵の説明が表示されます。)

 集合は、1枚目の絵『第13景 下谷廣小路』に描かれている松坂屋の前でした。
広重『名所江戸百景』めぐり 上野・日暮里コース_b0338976_14331840.jpg
 写真正面は上野公園です。右側のビルが松坂屋の本館で、工事中の囲いが南館です。ほぼ、絵と同じような視線です。
 下谷広小路は現在の上野広小路で、上野の山に対する地名でした。

 松坂屋本館と南館との間に東西に走っている道を西に向かうと、湯島天神の男坂にたどり着きます。

 男坂を登りきると湯島天神の境内で、2枚の絵『第117景 湯しま天神坂上眺望』の場所です。絵では女坂から上がってくる女性とその向こうに広がる不忍池の雪景色を描いています。
広重『名所江戸百景』めぐり 上野・日暮里コース_b0338976_14491326.jpg
 写真は、正面に女坂、手前階段が男坂で、本殿は左側になります。女坂の先はビルとマンションで視界は遮られ不忍池は見えません。

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  湯島天神正面の鳥居の脚部に唐獅子の頭部があります。
 これは東京都指定文化財です。
 眉や鼻のあたりは参拝のみんなになでられるのか光っています。


 
 女坂を下り、中町通りを抜け、上野へ向かいます。

 公園入口で3枚目の絵『第12景 上野山した』の説明です。 
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上野山下とは、現在の上野駅と駅前広場一帯にあたり、下谷広小路とともに、見世物小屋などの娯楽施設が多かったたそうです。
 広重の絵では、「しそめし」の暖簾がかかる料理屋の奥に鳥居が見えます。これは五条天神社で、写真では交番所の奥にあるビル(ヨドバシカメラ)付近にあたり、ここに天神社跡碑が残っています。

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 現在の五条天神社は忍坂の途中に花園稲荷神社と隣り合わせにあります。
 上野で最も古い神社、産土神で、薬祖神として信仰を集めています。


 4枚目の絵『第11景 上野清水堂不忍ノ池』は、右側の赤い建物が清水観音堂で、その向こうに不忍池が広がっています。左側の奇妙な枝の松を大きく描いたのが、5枚目の絵『第89景 上野山内月のまつ』です。
 この木は、枝が円を描き、月のような形をしていることから「月の松」と呼ばれています。
広重『名所江戸百景』めぐり 上野・日暮里コース_b0338976_10504926.jpg
 「月の松」越しに不忍池の弁天堂が望めます。

 上野山は奈良の吉野山を、不忍池は琵琶湖を、中島は竹生島になぞらえ、清水観音堂は京都の清水寺を模して造られています。また、桜は咲く時期の異なる吉野桜、山桜、八重桜などが植えられ、桜の花が絶えることがなく、江戸一番の桜の名所になりました。

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 不忍池へ、弁天堂を参拝し中島を渡ります。
 天気に恵まれ、上野山越しに遠く東京スカイツリーが見えました。
 ここから、千駄木の団子坂までバス移動です。



 後半の団子坂下から日暮里までのコースです。
団子坂は、不忍通りから本郷大地に上る坂道で文京区千駄木2・3丁目の境です。登りきったところを左折すると森鴎外記念館があります。
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  この辺りは、小説の舞台としてよく登場します。江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』の「D坂」とは団子坂のコトのようです。
 写真は、団子坂の途中で見つけたお店の看板です。


 最初の絵は『第16景 千駄木団子坂花屋敷』です。
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 この場所は、現在の文京区千駄木を東西に走る団子坂の南側、森鴎外記念館から崖下にかけてのあたりであったと推測されています。花屋敷は元植木職人が造った広さ3000坪の庭園で、新名所だった。
 写真は、森鴎外記念館の階段下、第八中学校裏から写したもです。正面の銀杏の木が記念館になります。絵では、崖を登る急な石段上の坂見えますが、その付近からの見上げた状態の視点になります。



 7枚目の絵『第14景 日暮里寺院の林泉』は、現在の西日暮里3丁目にある修性寺の境内を描いたものです。
 花の素晴らしさから、この地域の青雲寺、修性寺、妙隆寺を花見寺三寺院と呼ばれ、花の名所となっていました。
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 修性寺の50m南側に富士見坂があります。昨年まで、ここから富士山が見えたとのですが、ビルが建ち視界を遮られてしまったそうです。
 富士見坂を登ったところに「諏方神社」があります。
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 ここが、最後8枚目の絵『第15景 日暮里諏訪の台』の場所です。
 高台の諏方神社の境内を「諏訪の台」と呼んだそうです。 
 ここの境内から北東の方向を眺望し、隅田川方面の低地や筑波山を描いています。
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 境内の下の現在はJR西日暮里駅で、その先の広がりはビルがひしめく光景に変わっています。


 以上の行程は、途中バス移動区間を除き約4.5キロのコースで所要時間は約3時間した。
by ken201407 | 2014-12-11 14:27 | 歴史散策

徒然にデジカメで撮った写真を掲載します。


by ken201407
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